彫刻 おにぎり

「飢えを彫る」 ― 石のおにぎりが語る未来

これは50年以上前、森一三が未来を見据えて作った“かじったおにぎり”です。しかしこれは食べられません。石でできています。
「食えない時代が来る」と彼は言いました。戦後の復興から経済成長へと向かう時代、人々が物に恵まれ始めたその一方で、心や文化はどうだったでしょうか?
この作品は、飽食の時代に突入する寸前に放たれた、鋭い問いかけでもあります。「本当に私たちは満たされているのか?」と。
今、物価高や社会の不安定さが再び話題となる中で、この“石のおにぎり”は、予言のように私たちの前に再登場しました。

みどりの森の美術館
浜松市中央区中野町860
TEL053-540-0825
金曜~月曜、11時~17時オープン